1.計算対象

身の回りの流体現象は、2次元的な特性を有することが多く、そのような場合、2次元流体解析による、低計算コストでの解析が可能です。

本チュートリアルは、そのような流体場の一つである、医療や化学などの分野で用いられるフロー・スプリッターの流体シミュレーションを実施します。

今回用いるフロー・スプリッタの形状は、GRABCADで公開されているモデルを元にペイントソフト編集した以下のようなビットマップ画像(bcXY0.bmp)で定義します。

ここで紹介するシミュレーション実行に必要な全ての入力ファイルは、以下からダウンロードできます。

本シミュレーションは、一般的なIntel COREi7搭載のノートパソコン上で、最大並列数を用いて、1000ステップ1分程度の計算速度です(ただし描画時間を除く)。計算時間は、ページ下の画像のように遷移します。

GRABCADにて公開のフロー・スプリッター形状。
GRABCADにて公開のフロー・スプリッター形状。
本シミュレーションで用いる境界条件定義用ビットマップファイル(bcXY0.bmp)。
本シミュレーションで用いる境界条件定義用ビットマップファイル(bcXY0.bmp)。

2.計算パラメータの設定

以下は、本シミュレーションにおいて特に大事なパラメータについての説明です。一般的な計算パラメータの説明は、こちらをご覧ください。

  1. cmode

    0の流体解析モード(密度一定の液体、及び気体用)

  2. lx

    領域のX方向サイズは0.07m(7cm)。

  3. ly

    領域のY方向サイズは0.07m(7cm)。

  4. nx、ny、nz

    格子点数は、空間解像度を考慮して決定します。(nx, ny, nz) = (384,384, 1)とし、各方向で同じ格子点間隔を用いています。

    余裕があれば、空間解像度(格子点数)を変更してシミュレーションを実施し、格子点数がどのように計算時間や解に影響を与えるか見てみるとよいでしょう。

  5. rhoW

    流体密度は、常温常圧の空気の値(1.2 kg/m^3)を使用。

  6. uinB

    プリセット・カラーの青色で指定した流入流速は、0.1m/s。

3.シミュレーションの実行

上記リンクでダウンロードできる入力ファイルを用い、シミュレーションを開始します。シミュレーションまでの具体的な操作の流れは、こちらをご覧ください。

【注意点】

現行バージョン(2019R1.1)又はそれ以前を用いた2次元シミュレーションでは、計算時間に比べ、各時間ステップの結果描画時間が非常に大きくなる場合がございます。これは今後改善される予定ですが、シミュレーション時間を短縮する方法として、シミュレーション中に一切の描画を行わないという方法が効果的です(結果の可視化は、シミュレーション後に解析モードにおいて実施)。

具体的には、本ケースの場合、色コンターとして、計算に用いられない密度や温度を選択し、流速ベクトルvectorを非表示、また、壁面を非表示とすると、一切の描画をオフにすることが可能です。

毎ステップの計算及び描画に掛かる時間の確認方法は、こちらをご覧ください。

シミュレーション開始後1000ステップにおける計算時間及び結果描画時間の遷移。
シミュレーション開始後1000ステップにおける計算時間及び結果描画時間の遷移。

以下の画像は、シミュレーション後に解析モードで読み込み表示された流速ベクトルの瞬時場を示しています。

流速分布(色は速度の絶対値)及び速度ベクトル。
流速分布(色は速度の絶対値)及び速度ベクトル。