1.はじめに

ここでは、Flowsquare+の並列性能を理解したり、計算コストを抑えるシミュレーション条件の設定方法を学ぶための少々重めのシミュレーションケースをベンチマーク用ケースとして紹介します。

ここで、紹介するシミュレーションケースは、Flowsquare+ユーザーによる解説ページ、『Flowsquare+でお手軽エアロダイナミクスシミュレーション遊び』を参考にし、変更を加えたものです。流体シミュレーションを始めたての方にも分かりやすくFlowsquare+の解説をされています。

利用するF1の元CADモデルは、3Dmag.orgにて公開されているものです。リンク切れ等で3Dmag.orgからダウンロードできない場合は、こちらからでもSTLファイルを直接ダウンロード可能です。本チュートリアルで用いるSTLモデルは、ダウンロードした元STLを『CAD(STL)モデルとその最適化』を参考に修正します。特に、再メッシュを施し、極端な値のアスペクト比を有するメッシュがなくなるように調整します。

Fusion360によるSTLモデルの修正作業。
Fusion360によるSTLモデルの修正作業。

ここで紹介するシミュレーションに必要な全ての入力ファイル(修正後のSTLを含む)は、以下からダウンロードできます。

また、本シミュレーションは、一般的なIntel COREi7搭載のノートパソコン上で、最大並列数(parallel)を用いて、1000ステップ1.2時間程度の計算速度です。

2.計算対象・境界条件

境界条件の設定に、今回は上記の入力ファイル内のSTLファイルおよびプリセット境界条件を用います。『初めて使うFlowsquare+』を参考に、上記の入力ファイルを用い、本シミュレーションのプロジェクトを開始してください。

本シミュレーションに用いるプリセット境界条件を適用するには、本シミュレーションのプロジェクト名を決定後に現れる、『プリセット境界条件選択画面』において、流入—移動壁境界条件(Inflow-moving wall)を選択してください。

プリセット境界条件(流入—移動壁境界条件(Inflow-moving wall))の選択。
プリセット境界条件(流入—移動壁境界条件(Inflow-moving wall))の選択。

選択されたプリセット境界条件と今回用いるCADモデルから、以下のような計算領域が構築されます。『境界条件確認・CADモデル編集画面』で適宜STLファイルで指定されるCADモデルの位置などを調整することも可能です(今回の入力ファイルには適切な位置が予め設定されています)。

選択されたプリセット境界条件とCADモデルから構成される計算領域。
選択されたプリセット境界条件とCADモデルから構成される計算領域。

3.計算パラメータの設定

計算パラメータは、他のSTLモデルを用いたシミュレーション例と同様です。

ただし、本シミュレーションはかなり計算負荷が大きく、特に最初の数ステップは非力なマシンでは膨大な時間が必要な場合があります。従って、本シミュレーション条件では、ポアソン方程式の残差pepsを既定の1.0E-6から1.0E-3に変更されています。

一般的な計算パラメータの説明は、こちらをご覧ください。

4.シミュレーション結果

シミュレーション中または、シミュレーション後に解析モードで出力結果を読み込むことで様々な結果の可視化を行うことが可能です。本ページのタイトル画像は、シミュレーション結果の可視化図の一例です。

中心断面における速度の絶対値分布の時間変化。

下の図は、本シミュレーションケースを様々な並列数(1、2、4、8並列)で実施した際の、100ステップ目における1ステップ当たりの計算時間と1並列に対する計算速度向上率のグラフです。並列性能等の確認に用いることができます。

様々な並列数に対する計算速度変化。
様々な並列数に対する計算速度変化。