head_img

初めて使うFlowsquare+

はじめに

※こちらは古い2021R1.0以前のバージョンにおける操作方法です。より新しい2021R2.0以降のFlowsquare+操作方法はこちら

Flowsquare+の基本的な使い方を、ソフトウェア同梱の入力ファイルで実行できるテストケースを使って学びます。テストケースでは、工学的に重要なカルマン渦列と呼ばれる非定常流体現象のシミュレーションを実施します。

シミュレーションは、以下の手順にて実施します。

  1. Flowsquare+のインストール
  2. ライセンス認証(スキップ可)
  3. プロジェクト名の決定
  4. プリセット境界条件の選択
  5. 入力ファイルパスの設定(新規プロジェクトのみ)
  6. プロジェクト情報の確認
  7. パラメータ・ファイルの読み込み及び編集
  8. 境界条件画像ファイルの読み込み
  9. 構築された境界条件の確認
  10. シミュレーション実行
テストケース(カルマン渦列)のシミュレーション(トレーサー粒子とXY断面を用いた可視化)。

 

1.Flowsquare+のインストール

ダウンロードされた圧縮ファイルには、Flowsquare+実行ファイルと、テストケース用入力ファイルが入っています。ダウンロードした圧縮ファイルを全て展開し、展開したFSPフォルダに以下のファイルが存在することを確認します。

  • FSPフォルダ
    • FSP.exe(実行ファイル)
    • bcXY0.bmp(入力ファイル;境界条件設定用画像ファイル)
    • param.txt(入力ファイル;パラメータ・ファイル)

これで、Flowsqaure+が利用可能になりました。


 

2.ライセンス認証(スキップ可)

FSP.exeをダブルクリックし、Flowsquare+を実行すると、ライセンス・キーの入力画面が現れます。今回は何も入力しなくても構いません。[Enter]キーまたはproceedを押して、次へ進みます。キャンセルする場合は、[ESC]キーまたはcancelを押します。


 

3.プロジェクト名の決定

ここでは、新規または既存のプロジェクト名(半角文字)を入力し、選択ボタンから、実行モードを選択します。実行モードは、シミュレーション・モード (Simulation mode) 又は分析モード (Analysis mode) から選択します。

  • Simulation mode(シミュレーション・モード)
    シミュレーションの新規実行や再開に最適なモードです。
  • Analysis mode(分析モード)
    一度実行したシミュレーションの瞬時結果ファイルを再度可視化し、検証するのに最適なモードです。

今回は、プロジェクト名を、「test」とし、シミュレーション・モードを選択してください。その後、[Enter]キーまたはproceedを押して、次へ進みます。キャンセルする場合は、[ESC]キーまたはcancelを押します。

プロジェクト名入力画面
プロジェクト名入力画面

 

4.プリセット境界条件の選択

次の画面では、構築済み(プリセット)の境界条件を選択することができます。表示されているプリセット境界条件のボタンをクリックすることで選択され、解除するには再度ボタンをクリックします。

プリセット境界条件とご自身でCADやビットマップ画像から構築するモデルを組み合わせることも可能ですが、今回は、何も選択せず、次に進みます。[Enter]キーまたはproceedを押して、次へ進みます。キャンセルする場合は、[ESC]キーまたはcancelを押します。

プリセット境界条件選択画面。クリックで選択、再度クリックで選択解除。
プリセット境界条件選択画面。クリックで選択、再度クリックで選択解除。

 

5.入力ファイルパスの設定(新規プロジェクトのみ)

新規プロジェクトを作成した場合、下のような画面が現れます。この画面では、用いる入力ファイル(の一つ)を画面内にドラッグ&ドロップすることで、入力ファイルのパスを設定します。何もドロップせずに次に進むと、前回と同じフォルダから入力ファイルが読み込まれます。

ここで、全ての入力ファイルは、FSPフォルダ内か、その傘下の同じ場所に存在していなければいけません。また、全てのフォルダ名は半角英数である必要があります。今回は、FSPフォルダ内のparam.txtを画面にドラッグ&ドロップしてください。既存のプロジェクトの場合、全ての入力ファイルは、プロジェクト内のinputフォルダから読み込まれます。

入力ファイルのドロップ画面。
入力ファイルのドロップ画面。

 

6.プロジェクトの確認

次に、プロジェクト情報の確認画面が表示されます。以下の項目を確認してください。

  • 入力したプロジェクト名
    test
  • プロジェクトの新規性
    新規プロジェクト(a new project)、又は既存プロジェクト(an existing project
  • 実行モード
    シミュレーション・モード(Simulation mode)、又は分析モード(Analysis mode
  • FSPフォルダから始まる入力ファイルの相対パス
    FSP/
  • プリセット境界条件
    無し(Manual)

確認後、[Enter]キーまたはproceedを押して、次へ進みます。キャンセルする場合は、[ESC]キーまたはcancelを押します。新規プロジェクトの場合は、プロジェクト名と同じ名前のプロジェクト・フォルダがFSPフォルダ内に生成されます。

プロジェクト確認画面(新規プロジェクトの場合)。
プロジェクト確認画面(新規プロジェクトの場合)。

 

7.パラメータ・ファイルの読み込み及び編集

プロジェクトの新規作成に成功すると、プロジェクトからparam.txtが読み込まれます。これはパラメータ・ファイルと呼ばれ、シミュレーションに関するパラメータを指定するファイルです。パラメータ・ファイルの編集画面では、各パラメータ値の変更や、パラメータ項目の追加add、削除delete、並び替えswap upswap downなどを行うことができます。今回は、特に変更する項目はありませんので、次の画面へ進みます。[Enter]キーまたはproceedを押してください。シミュレーション・モードの場合、パラメータの変更内容が保存されます。分析モードの場合は、変更内容は保存されません。

パラメータ・ファイルの編集画面。
パラメータ・ファイルの編集画面。

 

8.境界条件画像ファイルの読み込み

境界条件の読み込み画面では、プロジェクト・フォルダ内の境界条件画像ファイル(bcから始まるビットマップ画像)が1枚ずつ読み込まれ、パラメータ・ファイルで設定したメッシュと共に表示されます。ドラッグ操作で、下図のように空間内の画像方向を確認することもできます。また、本画面で、モデル構築に関するストレッチングやシンメトリックなどのモデル構築の設定も行えます。[Enter]キーまたはproceedを押すと次の画像読み込みが開始され、最後の画像の読み込み後、モデル構築が始まります。CADモデル(bc.stl)を利用する場合、この時点でこれらのファイルも読み込まれます。

今回は、境界条件画像ファイル1つのみですので次へ進みます。境界条件画像ファイルの詳しい作成方法は、こちらをご覧ください。

マウスのドラッグ操作による画像の3次元空間配置表示。
マウスのドラッグ操作による画像の3次元空間配置表示。

 

9.構築された境界条件の確認

構築された境界条件が表示されます。この画面では、マウスのドラッグ操作で様々なアングルから構築された境界条件を確認できます。構築された境界条件が正しければ、最後に[Enter]キーまたはproceedキーを押すと、シミュレーションが開始されます。キャンセルする場合は、[ESC]キーまたはcancelを押します。

構築された境界条件の確認画面。
構築された境界条件の確認画面。

 

10.シミュレーション実行画面

シミュレーションが始まると、数値計算と並行して流体場の可視化がリアルタイムで行われます。Flowsquare+では、様々な物理量・可視化手法を用いることで、流体場の理解が可能です。また、パラメータ画面で設定したnfigステップ毎に結果画像が出力され、nfileステップ毎に瞬時場データが出力されます。これらの画像及びデータは、プロジェクトフォルダ内のfigs及びdumpフォルダに保存されます。シミュレーション後に、瞬時場データを分析モードを用いて読み込み、詳細に検証することも可能です。また、nfigステップ毎に出力された画像を繋げることで、シミュレーション結果の動画を作成することも可能です。

デフォルト可視化ツールによるシミュレーション中の表示。
デフォルト可視化ツールによるシミュレーション中の表示。
相関速度ベクトル及び物体に作用する流体力の可視化ツールを用いた表示例。
相関速度ベクトル及び物体に作用する流体力の可視化ツールを用いた表示例。

今回用いた、ライセンス認証無しの無償Trial(トライアル)ライセンスでは、300ステップ以降の結果画像ファイル、速度場ファイルの出力が実施されません。より効果的な熱流体解析には、有償ライセンスをご利用ください(2020R1.0以降)。


 


Top